パリアッチ&カヴァレリア・ルスティカーナ
いずれも短いオペラで同時上演されることが一般的。
これらのオペラは、典型的なイタリアそのものを描いている。
パリアッチはイタリア最南端カラブリア地方を、カヴァレリアはシチリア島である。
舞台だけではなく、その内容がまさにヴェリズモそのものであり、イタリアの気質を描くことに成功している。
愛と情熱、裏切りと嫉妬から成る人間そのものの模様が、音楽の上に見事に描かれている。
この作品達によって一気にその名を知られたマスカーニとレオンカヴァッロ。
イタリア人の心の内をオペラを通して完全劇化に成功している。
今朝はこの2作がテレビで放映されていた(今現在カヴァレリアが始った)。
思わずともテレビの前に釘付けになってしまった。
その理由は音楽はもちろんのこと、言葉だ。言葉の音とのつながりがもう、、、天晴れとしか言いようがない。
イタリア語はヨーロッパの言語の中で最も音楽的な響きとリズム、カデンツァを持っている。音楽との結婚は容易だ。
そしてそれに加え、イタリア人の感情の動きや考え方、習慣や宗教、生活、地方の気質が余るところなく音楽と共に散りばめられている。
ヴェリズモの真骨頂。
この融合は結果的に予想以上の効果を生み出す。
オペラを見るというより、ドラマチックな映画を観ている感覚で釘付けになる。
私は日本にいた頃、ならずともコレペティという仕事をしていた時期がある。
意味を理解してやるだけではオペラにならない。
今思うと全くなってなかった、と自分を恥じる。
イタリアに住んで何十年、ようやくオペラが身をもって生きてきた気がする。
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