憧れ
誰にでも憧れはあると思う。
私にとってこの写真の太陽のように
確実に光を放っている日本人ピアニストがいる。
おそらく同年代だろう。
大昔にイタリアでの国際コンクールでご一緒した事があるから、似たような年代じゃないかな。
基本的に私はYouTubeを見ないのですが
その方のチャンネルはたま〜に観覧しに行く。
年代が近いからか?
考えることが似てるのか?
次に「この曲弾きたいな、、、」
と私が思っている曲を
偶然にもビデオ公開してくれている。
タイムリーで、私が手につける数ヶ月前にちょうどそれを手にしてくれているので
やりたい曲の理想が形で見れる。
しかも、
私が思い描いている精彩さで
微塵の狂いもない安定した演奏。
すごい。
そしてビデオのありがたいことには
「見える」こと。
演奏の動きに
無駄が一切ない。
その姿はA.B.ミケランジェリのごとく
顔にも
体の動きも
「魅せる」パフォーマンスは一切
“ない”。
下手すれば「冷たく」見えるかもしれない。
でもここで誤解してはならない。
なぜなら
音が全てを語るから。
職人的。
個人名を出してご迷惑をかけてはならないので、あえて公表はしませんが
とにかく
憧れます。
なぜ憧れるって?
それは自分にない魅力を持っているから。
その演奏からは
ひとつひとつのディティールに対し
限りない時間を惜しまずに与え、
そこから得た裏付けの技術が存在するから。
なんというか
精巧に作られたスイス製の時計🕰️🇨🇭
という完成度。
↑⚠️でもデジタルとは確実に違う。機械的な正確さではなく、人間の「温度」がある職人技の“匠”である=だから素晴らしい
私なんかはさ、どちらかというと
手巻きの大きな古時計。
巻いてあげなかったら止まるし、
時間の進み方も不安定な時計。
まあ、それでも
私に憧れてくれる方もいるというのだから
ありがたいですがね。
その古時計の味はそれはそれとして
自分を殺さない。
憧れは、
必ずしも理想として現実化するものではない。
それで良い。
それだから
アーティストの数だけ
アートは生まれるのだから。
でもおそらく
ずっと憧れる存在であるだろう。
素晴らしい演奏をありがとうございます。
また勉強させてもらいます。
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