レッスン覚書

リサイタルが終わってから、ご希望の方を対象にレッスンをしている今日この頃。
あんなに自由奔放に演奏する私がどういうレッスンをするのか?というところですよね。

特に自分が演奏したことのある曲を見るとき、私の解釈を受講する方に押し付けることはしないよう心がけています。
まずはその方がどのような視点から曲を温めているのか?を聴き、そのなかでどのように楽譜を音として立てることで演奏につながるのか?という部分に重点を置くようにしています。

人によってはある一点で演奏がコロ!っと変わります。
音の聴き方や音の出し方は、さもするといつも同じ聞き方で慣れてしまっているときがあります。
たったこれだけ?をすることで今まで出したことのないのような音色を生むことも可能です。

その中でも難しいな、と思うのはクレッシェンドとディミヌエンド。
歌って!とピアニストは言われることがとにかく多いのです。なぜならピアノは鍵盤楽器であっても打楽器なので声のように、呼吸を使う管楽器のように、弓がある弦楽器のように一音で歌うことは不可能です。そうするとどういうことが起きるかというと、フレーズの中で歌おうとするとクレッシェンドが意識なく入ってしまう。

これが結構曲者、と私は思っています。

抑揚が入るからクレッシェンドしても問題がない部分と、クレシェンドが意識なく入ってしまうことによってそれが表現の邪魔になってしまうこともあります。

平らに演奏する、これが実はとても難しいかもしれません。平らに演奏することが表情を入れていないのではなく、動の部分ではないところで動いてしまうことを抑え、静の部分を際立たせる。
立体的な演奏をするにあたってプラス、プラスで足し算するだけでなく、マイナス、マイナスで引き算するのはかなり勇気がいるかもしれません。
私にとっても常に大きな課題です。

それと同じくらい伝えるのが難しいのはペダル。これはまた別の機会にお話ししましょう。

奥深いなあ、、、やっぱり楽しい、ピアノ🎹

ピアノ弾きの覚書

ピアニスト 純子マッサーリアの覚書き、ひとりごと、演奏会情報など、気ままにつづります。

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