ファウストの劫罰〜ベルリオーズ
こんにちは。
音楽家の純子マッサーリア
Junko Massagliaです。
たまに記事にしているイタリア国営テレビで放送されるオペラ。
毎日午前中に気軽に見ることができます。
イタリアオペラはもちろんのこと、アーカイブにある貴重な1900年代前半の白黒での記録や、現代物まで様々なオペラを見ることができます。
今朝は特に見るつもりではなかったのですが、ニュースを終えてチャンネルを回したらやっていたのがベルリオーズの『ファウストの劫罰』。この作品を初演したことでベルリオーズは破産しロシアへ逃亡、初演したパリのオペラコミック座は大損害を被ったという難エピソードのある難作です。
日本では演奏される機会がとても少ない作品でしょう。演奏会形式1936年と舞台形式1951年、日本語訳での初演1945年は東京大空襲で練習所、楽譜、楽器共に焼失してしまったのだそうです。
というわけで日本で滅多にお目にかかれないこの作品。ファウストとメフィストフェレによる天国と地獄を彷徨う魂の契約、と言ったらわかり易いでしょうか。
まずイタリアオペラではありえない題材で、演出も非現実的なものがとても合う作品でした。
西洋音楽がだいぶ身近になった日本。
西洋音楽を学ぶ人はおそらくこちら本場のヨーロッパよりも何十倍も多いと思います。
でも日本政府はこの西洋文化に対しての文化知識があまりにも薄くて、表面の薄っぺらい部分だけが日本で大流行りし、ビジネス化しているのが残念です。
こういうオペラはやはりヨーロッパで味わうしかないのでしょうね。
ファウストとメフィストフェレ。
なんとも魅力的な題材です。
メフィストフェレを演じたアレックス・エスポズィート
終盤では頭から全身に黒い染料をドロドロに被ったまま見事に歌いきった。
指揮はダニエーレ・ガッティ。
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