トリノ鑑賞室〜先入観なしに


こんにちは。

好きな演奏家、いますよね。
逆に嫌いな、苦手な演奏家ももちろんいますよね。


私たちは無意識に好きな演奏家を聴く事が多いと思います。
YouTubeでビデオなどを探す時だって、やはり自分の好みの演奏家を観ますよね?
至って普通のことです。


ラジオなどで聴く場合、演奏者が誰だか分からないまま曲が始まっていたとします。
ここで自分の耳が試される気がします。


先入観なしに音だけを聴いてみる。


ある日のこと。
ラジオを流していてラフマニノフのピアノ協奏曲3番が流れていました。
誰が演奏してもエキサイティングな曲ではありますが、聴いていてこのピアニストは男性?女性?いい意味で性別不明。
テンポの作り方やエネルギーの持って行き方もなかなか良く、終了後には大喝采👏👏👏👏👏
おお〜ライブですか!?ライブでこの演奏はすごい!と感極まりました。


演奏者の名前を聞いてびっくり‼️

アジア系の女性ピアニストでした!


この方の演奏はいろいろ聴く機会があって、う〜〜〜ん?と思う事が多いので特に自分から聴こうとしない方なのですが、この演奏は天晴れ!しかもトリノでのライブ演奏のアーカイブでした。


今日聞いた演奏に関しては私も主人も「これは彼女の本来本質の能力が素晴らしいものがあるということを物語っているね」と。
好き嫌いではなく良いものは認める。


そもそも一流の演奏家だって調子のいい時と悪い時があり、曲との相性が会うものと合わないものもあり、です。
大好きな演奏家がトリノに来たときに、ぜひ生で聞きたい!と聴きに行った時のこと。
本来の良さがあまり出ていない演奏で残念に思った事があります。
でもアンコールではさすが!のカリスマ性と説得力、並々ならぬオーラを放っていました。


極端な話ですが、亡きホロヴィッツが日本へ来日したときのこと。
1度目の来日では「壊れた骨董品」と斬られ、再来日の際には「蘇った」との評価。
評価する方もそうだけれど、彼のコンサートを毎回聞いていたような人がいうのはわかる。
レコードやCDだけで聞いてた人が評価するべきではないと思うのは私だけではないと思います。

現役のロシア系大ピアニストがトリノに来た時。
オールシューベルトのリサイタルだったらしいですが、かなり調子悪かったそうです。でもね、それをまだ学習中である経験のない学生が「お金払って損した」というのは何か?と思いました。


もちろん、聴く側はお金を払ってその芸術に触れるために行くのですから気持ちは分からなくもありませんが、なんでも先入観で判断して聴いてはいけませんね。



いい演奏で刺激をいただきました。
ありがとうございます🙏






ピアノ弾きの覚書

ピアニスト 純子マッサーリアの覚書き、ひとりごと、演奏会情報など、気ままにつづります。

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