情熱から生まれる結晶
昨日の写真の木枠がこのように生まれ変わるのです。
20年ぶり?にイタリアを500kmほど横断し、サチーレという小さな町にあるファツィオーリ本社へピアノの選定に行きました。
今回はコンサートグランドを選ぶコンサルタントみたいなお仕事でした。ファツィオーリピアノコンサートサービスをしている技術者と共に訪れました。
到着して挨拶を終えると社敷地内にあるコンサートホールへ。そこには3台のコンサートグランドが並んでいました。
まずは主人がその3台で同じ曲の同じ部分を弾き比べしました。
ある程度弾き比べたら私と交代。そんな感じで午前中が過ぎました。
私たち自身も、またそこにいる誰もが自分はこのピアノがいいと思う、とは最後まで口にしません。
お昼を食しに創設者である社長P.ファツィオーリとマーケティングマネジャーのEさんも一緒に町へ。
↑最終的に選んだコンサートグランドピアノ
こちら、社長はもちろん、マネジャーもみんなピアノ演奏が出来るのです。
なので選定試弾している私たちもずっと評価されているような、審査されているような気分になります。
そしてさまざまな作曲家の曲をあれこれリクエストに沿って音出しします。
結構ドキドキです。
ホール客席のさまざまな角度から、時には弾いているすぐ真横で、ピアノの蓋の下に顔を突っ込んで、、、と。
3台から2台に絞り込み、ピアノの位置を逆にしてみてホールでの響きをどちらにも同じ条件になるようにしたり。何度も何度もピアノを左右で逆にして、角度を変えたりします。
丸一日をかけて選び終えたあと(実際には二日間を予定していた)、工場内を隈無く案内してくださいました。20年前に行った時より規模が何倍にもなっていました。そして最新のテクノロジーと人間の感覚を最大限に駆使して生まれるファツィオーリピアノ。
楽器の魅力はもちろんですが、何よりも私にとって印象的だったのはそこで働くお一人お一人の姿でした。
皆がこのピアノをいう楽器を芸術品として作り上げる、一つ一つの工程に悦びを持って、その作業に誇りを持って、誰一人として欠けていてはできない流れがそこにはありました。
話しかけると皆が皆ご自分のこの仕事が大好きで、そこに関わっていることに対して幸せだと答えてくれました。
創設者が現役でいらっしゃるピアノメーカーはここファツィオーリだけではないでしょうか?
そして従業員皆が社長のことを敬意を込めてインジェニエーリと呼びます〜エンジニア、という意味です。
会社というより凄いチームだな、と思いました。
結晶である楽器はもちろんのこと、芸術を作り上げる貴重な姿を学ばせて貰ったと感じました。
どうもありがとうございました🙏
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