真似できない、それが才能




こんにちは。
音楽家の純子マッサーリア
Junko Massagliaです。




昨日、ようやく主人のリサイタルが終わりました。
雨の中ご来場いただいたお客様、本当にどうもありがとうございました。




面白いプログラムだったこの会。
前半は様々な作曲家の練習曲を並べて、
その時代やピアニズムの違いを聴かせてくれました。



ショパンやリストの練習曲は言われるまでもなく、
練習曲といえども音楽としてしっかりとした曲です。

驚いたのはポッツォーリの練習曲。
ポッツォーリはイタリアではソルフェッジョなどで有名な作曲家なのですが、
実はポッツォーリ国際ピアノコンクール(かのポリーニや、東さんなどが優勝している)などで
ピアノ教育としての重要さを確立している作曲家です。



昨日演奏したのは、速さと正確さを求められる練習曲なので、
通常ならば面白くもなんともないのが普通なのですが、
彼が弾くとその中でさえも
「え、、、、」と思わせる豊かな音楽性を引き出す。




その発想や、
音を聞くセンス、
パッセージの活かし方、
音色の使い分け、



どれをとっても絶対に



真似できない。





真似したら滑稽にしかならない。



シューベルトの小品では
この楽器からどのようにしたらその音色が生まれるのか?というように
リートそのものの「人間の声とピアノ」を鍵盤の上でいとも簡単に描き出した。




ガーシュインでは、
ジャズではなく、音として書かれたアメリカ音楽が
一瞬にしてそこに現れた。
音のグルーヴ感、
力まないスィング、
計算されていない抑揚の浮き沈み、
リズムの遊び。





もう、
本当にノックアウトされました。


才能、って
ほんと、これ。





自分に才能がないとは言わない。
十分に与えられた才能に感謝している。
それを存分に活かせるよう努めるのみ。




でも、ここで書くのはまた別の才能。




真似できない、それが才能なんだ。




素晴らしい演奏をありがとう。





ピアノ弾きの覚書

ピアニスト 純子マッサーリアの覚書き、ひとりごと、演奏会情報など、気ままにつづります。

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