🇮🇹ストレスの矛先




今朝、八百屋さんに買い物へ行きました。
昨日までの復活祭の連休(と入っても気分はずっと連休〜)後なので、店先で並ぶことを予測しながら行くと、案の定道沿いに2〜3mおきで買い物客が数名いました。


仕方ない。春の暖かな日差しを背中に浴びながら待っていること30分弱。
新たなお客さんが列に加わった。



そこで感じた現状のストレス。
その人は、私の前に入店するシニョーラを見るととっさに喚き始めた。


「マスクをつけないのならば入店不可よ!そうやってウィルスを撒き散らす事は犯罪でしょ!その後の人たちが入店できないじゃないの!」


と捲し立てたのだ。


ご高齢のシニョーラの戸惑う姿と哀しい眼差しを保護するように、お店の方がどうぞ入って!ドアを開けっ放しにして換気しているから、必要なものを言ってください、と。



無事にその方が入店し買い物をしている間、今度は矛先が私に向かってきた。



「あの人(私のこと)は中国人ね。あなた達が持ってきたウィルスだというのに、ここへくるだなんて!?イタリア人は何も悪いことしていないのにこのざまよ、、、」
とぶつくさ文句を言い始めた。


そして、これみよがしに車の中にある使い捨て手袋を取りに行き、私の後に入店するための準備を始めた。



なんかとても悲しく思いました。
イタリアから外に出たことのない人々は、アジア人を見ればほぼ中国人だと思う人が多い。
アメリカのような多人種の多い国ならまだ“外人”に対してそこまで偏見はないかも?しれないが、ヨーロッパはやはりまだまだ人種意識が残っている。


敢えて私は中国人ではありません、という気もなかったので黙っていたけれど、今のこの状況で何人だからどうこう、という発言をするのは紛れもなくストレスの矛先が原点とはかけ離れた部分に向かっているのだな、と思ったわけです。



でも、外国に住むという事はこのような事態にも悲しくも遭遇する環境、だという事。




世界が平穏になることをひたすら祈るしかない。
つまらない理由で人々が争う姿は、愚の骨頂だ。




ピアノ弾きの覚書

ピアニスト 純子マッサーリアの覚書き、ひとりごと、演奏会情報など、気ままにつづります。

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