明暗



この間の日曜日。
ヨーロッパチャンピオンリーグの決勝はイギリスvsイタリア。
どちらの国も50何年ぶりの優勝を賭けた大イベントとなっていました。

決勝が行われたのはイギリスのウェンブリー。
会場のスタジアムは圧倒的なイギリス応援団で埋め尽くされ、イタリアはさぞかしプレーしにくい状況でした。


結果はもうご存知の通り、PK戦まで及んだ大試合でイタリアが優勝しました。
もちろん、結果としては嬉しいです!




ただ、その後の明暗が世界的に今問題化してしまいましたね。


イギリスナショナルチームの黒人選手がPKを決められなかったことで、イギリス内で人種差別的な中傷批判が勃発し、国のために一生懸命に最後まで戦った選手たちが傷つきました。
これって、哀しいほど最低ですね。


決勝まで進んだ全ての選手たちに感謝と栄誉を讃えるべきことが、一部の教養のない人々の反応でイギリスに泥を塗ってしまった悲しい出来事。



心痛みます。


ただね、試合が始まる前からちょっと歪みが見え隠れしていました。
試合前にそれぞれの国歌が歌われるのですが、イタリアの国歌が歌われている間、イギリス応援団の一部がブーイングをずっとしていました。これは、他のスポーツでも見たことも聞いたこともない反応で、国歌中にブーイングするというのはあり得ないし、あってはいけないことと思うのです。これにはかなりがっかりしました。


そして、勝敗が決まり表彰式でのこと。


2位になったイギリスナショナルチームの一人一人に銀メダルが首にかけられた後、チームの半分以上の選手が首にかけられたそのすぐ直後、首から銀メダルを外す、というこの行動にもがっかりさせられました。
2位だったらいらない?2位であることを受け入れない?これもまたスポーツ界で見せるべき意思表示でない気がします。


そして、その表彰式の時、イギリス応援団はほぼ会場から去っていました。
自分が応援していたチームを讃えない、勝ったチームに対しても同様。
これもどうだかな?と。

戦争じゃあるまいし、スポーツってそういうものだったの?と、自主優先主義みたいな悲しい姿を見てしまった気になりました。


そして、人種差別中傷批判まで到達する。
多くのイギリス人たちが、同国の一部の人の振る舞いに対して「恥だ」と落胆し怒りを覚えたことと思います。
しかも試合直前、イギリスチームは膝ま付き、人種差別があってはいけない、という意思表示を選手全員が政治的リアクションを見せました。そしてそれを見る応援団もその姿に共感して拍手を送っていたというのに、試合後の問題が浮き彫りになった。



スポーツであるからには勝敗がついてしまう。
でも、スポーツであるということを通り越して個人の感情を前に出てしまう世の中になってしまったのだろうか?

今後スポーツ界でこのような姿が見なくなることを願うばかりです。


同日の昼間、同じくイギリスウィンブルドンでのテニス決勝。
こちら、ジョコヴィッチに対するはイタリアの25歳の選手でした。結果ベテランのジョコヴィッチに負けてしまいましたが、イタリアは彼を讃え、次に向かって更なる応援をしています。
負けてしまった選手を責めることほど醜いことはありません。






そして来週に始まるオリンピック。
これもまた、複雑な心境ですね。






ピアノ弾きの覚書

ピアニスト 純子マッサーリアの覚書き、ひとりごと、演奏会情報など、気ままにつづります。

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